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一人暮らしの親のごはんが心配なときは?確認することと食事支援の選び方

宅配食を選ぶ前に、親の食事内容・体調・困っている作業・水分と排便を確認する流れを示した図

「ちゃんと食べているよ」と言われても、菓子パンや麺類ばかりだとわかれば、親のからだが心配になりますよね。

とはいえ、仕事やじぶんの家庭があれば、まいにちごはんをつくりに行くのはむずかしいもの。

食事がかんたんになったわけは、料理の負担だけとは限りません。

買いものへ行けない、容器を開けられない、電子レンジを使いにくい、からだの調子が悪いなど、ほかのこまりごとがあるときもあります。

わけをたしかめずに宅配食を送っても、受けとり・開封・温めでつまずけば、食事のこまりごとが残ることもあります。

まずみておきたいのは、自炊の回数、最近のからだの調子、食事のどこで困っているか、水分と排便の4点です。

なぜか体重が減る、からだの調子が悪い、むせが気になるときは、食事サービスをえらぶ前に、かかりつけ医などへの相談をかんがえます。

親のこまりごとがわかれば、お惣菜、ネットスーパー、民間の宅配食、自治体の配食、訪問介護などから、合う方法をしぼれます。

この記事を読めば、家族だけで食事のことを抱えこまず、何をきき、次に何を試すかをきめられます。

最初に確認すること

  • 週に何回自炊し、作らない日は何を食べているか
  • 体重減少や体調不良、食事中のむせがないか
  • 買い物・調理・開封・温め・片付けのどこで困っているか
  • 食事量が減っている場合は、排便と水分摂取の状況

からだの調子に大きな変化がなければ、親のようすに合わせて、つぎの方法からかんがえます。

親の状態別に選ぶ5つの方法

親の状態最初に検討する方法
料理だけが負担で、買い物には行けるスーパーのお惣菜
店までの往復や重い荷物が負担ネットスーパー・食材宅配
買い物も調理も負担民間宅配食
食事と一緒に見守りも必要自治体の配食サービス
買い物や調理に人の支援が必要地域包括支援センターへ相談し、訪問介護などを検討

私は、介護現場で約20年、施設ケアマネとして約10年勤務してきました。特別養護老人ホーム・訪問入浴・デイサービスでの経験をもとに、『自分の親なら何を確認し、どの方法を選ぶか』を説明します。私の親は現在元気で、親を介護した経験はありません。

アッキー

大切なのは、宅配食を選ぶ前に、親がどこで困っているかをたしかめることです。

目次

一人暮らしの親のごはんが心配なら、まず最近の様子を確認する

いきなり新しいサービスをすすめる前に、親が食事のどこで負担を感じているのかをみていきます。

一人暮らしの親の食事状況を確認する家族のイラスト

親を問いつめず、いつもの電話や帰省したときの会話で自然にたずねるのがコツ。

自炊の頻度と、自炊しない日に食べているものを聞く

「ちゃんと食べている?」ときくだけでは、「食べているよ」という返事で終わり、ほんとうの食事の中身までわからないことがあります。

何を食べているか知るコツは、くわしくきくこと。

  • 週に何回くらい自分でごはんを作っているか
  • 作らない日は何を食べているか(買ってきたお惣菜、インスタント食品、冷凍食品など)

買い物・調理・片付けのどこで困っているか確認する

食事がかんたんになるわけは、人によってちがいます。合う手助けをえらぶ一歩目は、どこでつまずいているかを見ること。

  • 買い物: お店まで歩けない、重い物を持てない
  • 調理: 火を使うのが不安、立ち仕事がつらい、容器や袋を開けにくい
  • 片付け: 食後の食器洗いや生ゴミの処理が面倒になっている

食事量が減っているときは排便と水分摂取も確認する

食べる量が少ないと感じたら、食事だけでなく、暮らしのリズムもいっしょにみておきます。

家族がするのは診断ではなく、事実を知るところまで。

  • 最後に便が出たのはいつか
  • 一日を通してこまめに水分を飲めているか
  • その他、普段と違う体調不良はないか
アッキー

食べる量が減ったときは、水分・排便・からだの調子もいっしょに見ます。

体重減少やむせが気になるときは、食事サービスより相談を優先する

なぜか体重が減る、食事中にむせるといったときは、食事サービスをえらぶ前に、かかりつけ医などへの相談をかんがえます。

高齢の親の体重減少やむせを医師へ相談する家族のイラスト

原因の分からない体重減少や体調不良がある場合

高齢の方の食欲が落ちたり低栄養になったりする背景には、歯や入れ歯、飲みこみ、病気、薬、心の負担など、いくつものわけがあります。

厚生労働省「高齢者の低栄養予防」でも紹介されているように、大切なのは、年齢のせいときめつけないこと。

  • 6カ月間で2〜3kgの体重減少がある
  • 食事量が急に減った
  • 明らかに痩せてきた、体調が悪そうに見える

こうした変化が「いつから」「どれくらい」起きているかをたしかめ、かかりつけ医などへの相談をかんがえます。

むせや硬いものの食べにくさが続いている場合

お茶や汁物でむせることがふえたり、かたいものを避けたりするようすは、見のがしたくない変化です。

むせるわけや食べやすい形を家族だけできめず、続くときは、かかりつけ医やかかりつけ歯科医へ相談してください。

6カ月で2〜3kgほど体重が減る、かたいものを食べにくい、むせるといったときの相談には、厚生労働省「おいしく食べて低栄養予防!」も参考になります。

親の食事を支える5つの方法

親が困っているところやからだのようすに合わせて、無理なくつづけられる方法をえらびます。

一人暮らしの親の食事の困りごと別に選ぶ5つの支援方法

自分で選べるスーパーのお惣菜

からだの調子に問題がなく、「料理の負担だけを減らしたい」「じぶんで買いものに行ける」という親なら、スーパーのお惣菜から試しやすいでしょう。

よい点は、その日の気分や好みに合わせてえらべること。

まいにち使うなら、同じおかずばかり選んでいないか、1回で食べきれる量かをみておきます。

買い物の負担を減らすネットスーパーや食材宅配

料理や受けとりはじぶんでできても、お店までの行き帰りや重い荷物が負担なら向いています。

先に見るのは、届く地域、最低注文額、送料、親がじぶんで注文できるかの4点。

保存・温め・受け取り方法から選ぶ民間宅配食

料理や買いものそのものが負担なら、できあがった弁当やおかずが届く民間の宅配食も方法のひとつです。

みておくのは、冷蔵・冷凍のちがい、冷凍庫の空き、容器を開けられるか、電子レンジを使えるか、食べきれる量かという点。

対象条件を確認して利用する自治体の配食サービス

自治体によっては、安否確認といっしょに食事を届けるサービスがあります。

自治体の例として、大阪市「生活支援型食事サービス事業」があります。

大阪市では、高齢者の場合、要支援1・2または要介護1〜5で、単身世帯または対象となる人のみの世帯など、世帯構成にも条件があります。さらに、食事の確保が難しく、配食による安否確認が必要な人などが対象です。

使える条件は全国で同じではありません。親が住む自治体で、だれが使えるか、回数、料金、安否確認の方法をたしかめてください。

認定やケアプランを確認して利用する訪問介護

訪問介護(ホームヘルプサービス)では、生活援助として買いものや料理を手伝ってもらえることもあります。

厚生労働省 介護サービス情報公表システム「訪問介護(ホームヘルプ)」にもあるとおり、生活援助は要介護の方の暮らしを支えるもの。

介護保険の訪問介護には、原則として要介護認定を受け、ケアプランに組みこむ必要があります。

要支援の方向けのサービスや自治体ごとの生活支援は、しくみがちがいます。地域包括支援センターや自治体へたしかめてください。

ケアマネがいない親は地域包括支援センターへ相談できる

地域包括支援センターへ親の生活について相談する家族のイラスト

親がまだ要介護認定を受けておらず、担当のケアマネジャーもいないなら、地域包括支援センターへ相談できます。

アッキー

ケアマネがいなくても、地域包括支援センターなら家族から相談できます。

介護認定前でも家族から相談できる

地域包括支援センターは、高齢の方の暮らしについて相談できる窓口です。

介護認定を受ける前でも、はなれて暮らす家族から相談できる。

包括への相談や支援は無料です。ただし、紹介された介護サービスなどを使うときは、別にお金がかかることも。

くわしくは、WAM NET「介護相談窓口等について」でもたしかめられます。

親の住所を担当するセンターを確認する

相談するのは、子どもが住む地域ではなく、親の住所を担当する包括。

探すときは、厚生労働省「家族介護に直面している方への支援を知りたい」などを参考に、親の住所を担当する包括を調べられます。

「食事量が減り、外出も少ない」と状況を伝える

相談するときは、「最近、食事があまり取れておらず、外出も少なくなっています」など、今のようすをくわしく伝えるのが基本です。

いつごろから変わったか、体重やからだの調子に変化はないか、自炊する回数や買いもののようすなど、わかる範囲で事実を伝えましょう。

包括の職員が親のようすをつかみ、つぎにどうするかかんがえやすくなります。

一人暮らしの親のごはんに関するよくある質問

一人暮らしの親の食事について親子で話し合うイラスト

配食サービスは介護保険で利用できますか?

配食サービスそのものは、全国共通の介護保険サービスではありません。

たしかめる先は、次の2つです。

  • 親が住む自治体の配食サービス
  • 民間の宅配食サービス

訪問介護のヘルパーに料理をしてもらうしくみとは、ちがいます。

自治体の配食と民間の宅配食は何がちがいますか?

  • 自治体の配食:地域ごとに使える条件や回数がちがい、安否確認がつくこともある
  • 民間の宅配食:介護認定なしで申し込めるものもある

届く地域や注文の条件は会社ごとにちがうため、申し込む前に確かめてください。

毎日スーパーのお惣菜でも大丈夫ですか?

お惣菜は、自分で好きなものを選べる便利な方法です。

  • 持病や食事制限に合っているか
  • 同じおかずにかたよっていないか
  • 食べきれる量か

持病や食事制限があるときは、選び方をかかりつけ医や管理栄養士などへたしかめましょう。

親が食事の支援を嫌がる場合はどうすればよいですか?

親に聞かずに定期サービスを決めると、断られることがあります。

まずは、親が何に困っているのかを聞いてみましょう。

お惣菜や少ない量のお試しなど、親が自分で断ったり変えたりできる方法から始めてください。

まとめ。まずは自炊の頻度と、普段食べているものを聞いてみる

離れて暮らす親に自炊の頻度と普段の食事を電話で聞く家族のイラスト

親の食事が心配になったら、まず「最近、週に何回くらいじぶんで作っている?」「作らない日は何を食べている?」ときいてみてください。

あわせて、体重やからだの調子、むせ、水分を飲む量、排便、外出の変化も見ます。

からだの調子に気になる変化があれば、食事サービスを探す前に、かかりつけ医などへ相談します。

からだの調子に大きな問題がなければ、親が困っているところに合わせて、お惣菜、ネットスーパー、宅配食などからはじめましょう。

できないところだけ外のサービスに頼れば、親はじぶんでえらび、できることをつづけやすくなります。

家族も、何度も実家へ帰ったり、まいにちつくり置きをしたりせず、はなれた場所から親の暮らしを支えられます。

まずは今日、親へ電話して、昨日食べたものをきくことからはじめてください。

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