実家にかえると、親がじぶんで食事をつくれなくなっていて、まいにち何を食べてもらえばよいか悩んでいませんか。
焦げた鍋や傷んだ食材が残っていたら、料理や食べものの管理で、どこに困っているかをたしかめるきっかけになります。
親が食事をつくれないときは、家族がすべてつくるのではなく、こまっている手順にあう手助けをえらびましょう。
どう用意すればよいか迷ったら、まず親がすむ地域の「地域包括支援センター」へ相談してください。
この記事を読むと、親が食事のどこで困っているかを見きわめ、あう食事サービスや相談先をえらべるようになります。
親のできることに合わせた食事の用意
| 確認すること | 選ぶサービスの目安 |
|---|---|
| 電子レンジの操作ができる | 宅配食(冷凍弁当) |
| 安否確認や温めの要否で選ぶ | 自治体などの配食サービス(常温・冷蔵) |
| 食事の準備や見守りが必要 | 介護保険の訪問介護(生活援助) |
| 本人が見て選びたい | 自分で選べるスーパーのお惣菜 |
| 買い物や外出が負担 | ネットスーパーや買い物代行 |
私は介護現場で約20年、施設ケアマネジャーとして約10年勤務してきました。サービス調整や、ご家族への助言を行ってきた立場から、現実的な食事の用意の仕方をお伝えします。
アッキーまずはなぜ親が料理を作れなくなったのか 一緒に確認していきましょう。
親が食事を作れない理由を4つの場面で確認する
料理は、たくさんの手順がある家事です。


どこかの動きがむずかしくなると、食事づくりのすべてが止まることもあります。
まずは、親が「どの動きにむずかしさをかんじているか」をたしかめることが大切です。
親のようすやコンロ・冷蔵庫で見る点は、一人暮らしの親のごはんが心配なときは?確認することと食事支援の選び方も参考にしてください。
買い物ができない(移動や荷物の運搬)


食材を買いに行くには、お店までいき、重い荷物を運ぶ体力がいります。
足腰が弱って外出しにくくなると、買い物へ行けず、冷蔵庫が空になることがあります。
調理ができない(火の扱いや立ち仕事の負担)


台所に立ちつづけたり、包丁をつかったりすることも、からだへの負担です。
火の消し忘れが増えると、親が料理をこわがり、やめてしまうこともあります。
容器の開封や温めができない(握力の低下や機器の操作)


お弁当を買っても、指先の力が弱く、フィルムを開けられないことがあります。
最近の電子レンジは便利な機能やボタンが多く、つかい方に迷う人もいます。
ボタンが多いものより、温める時間だけを決める機種のほうが、つかいやすい人もいます。
親に実際につかってもらい、たしかめてください。
片付けができない(洗い物やゴミ出しの負担)


食器を洗ったり、生ゴミをまとめたりする作業にも力がいります。
片づけられず台所が汚れると、つぎの料理をつくる気持ちがわかなくなることもあります。
高齢の親のできることに合わせて選ぶ食事を用意する5つの方法
親ができない動きがわかったら、それにあう食事の手助けをえらびます。


親が今できることにあわせて、外のサービスを組みあわせるのがたいせつです。
【電子レンジが使えるなら】宅配食(冷凍弁当)


冷凍弁当は長く保存でき、食べたいときに電子レンジで温めれば食べられます。
ただし、親がじぶんでフィルムを開け、決められた時間どおりに温められることが条件です。
介護の現場で食事の動きを見るときは、質問だけでなく、いつもの流れで実際に弁当などを温めてもらいます。
表示を見る、フィルムを開ける、時間を決める、熱い容器を出す、食卓まで運ぶ。そのようすから、どこで手助けがいるかをたしかめます。
【届け方と見守りで選ぶなら】自治体などの配食サービス


お弁当を家まで届ける配食サービスは、温めがいるかどうかを会社ごとにたしかめてください。
直接手渡しして、親の安否をたしかめるサービスも多くあります。
自治体の配食サービスは、地域によってつかえる条件がちがいます。
例えば埼玉県川口市の「高齢者配食サービス事業」の場合、対象は「概ね65歳以上の虚弱な高齢者など」と決められている。埼玉県川口市「高齢者配食サービス事業」
つかえる条件や料金は、親がすむ自治体の窓口でたしかめてください。
【食事の準備に支援が必要なら】訪問介護(生活援助)


ヘルパーが家を訪れ、料理や配膳、片づけを手伝うのが訪問介護です。
親がじぶんで食事を用意しにくく、見守りや手助けがいるときに向いています。
地域包括支援センターや担当のケアマネジャーへたしかめてみましょう。



親が自分で選ぶ楽しみも大切です。
【本人が見て選びたいなら】自分で選べるスーパーのお惣菜


スーパーやコンビニのお惣菜には、その日の気分にあわせ、親が食べたいものをえらべるよさがあります。
じぶんで歩いてかいものへ行く体力と食欲がある親なら、手軽につかえる方法です。
【買い物や外出が負担なら】ネットスーパーや買い物代行


重い食材を運ぶのが負担なら、ネットスーパーや生協の宅配が便利です。
スマートフォンをつかいにくい親なら、はなれて暮らす家族が代わりに注文し、実家へ届けることもできます。
すんでいる場所以外へ届けられるか、たしかめてください。
宅配弁当を嫌がる親へ。自尊心を傷つけない勧め方
高齢の親に宅配食などをすすめても、「お弁当は嫌だ」と断られることがあります。


親の気持ちをたいせつにしながら、歩みよれる声のかけ方をかんがえましょう。
「家族が助かるから試してみて」と伝える


「心配だからつかって」と押しつけると、親は子どもに迷惑をかけているとかんじることも。
「私が助かるから、少しだけ試してみて」とお願いする形なら、受け入れてもらいやすくなります。



最近の冷凍食品はおいしいみたい。いっしょに1つ食べてみない?
最初から毎日にせず「週に2回だけ」から始める


いきなりまいにちお弁当に変えると、親の暮らしのリズムが大きく変わります。
まずは「週に2回だけ料理を休む日にしよう」とすすめ、少ない回数からはじめてみてください。
迷ったときは親の地域の地域包括支援センターへ
どの手助けがあうかわからないときは、親がすむ地域を担当する「地域包括支援センター」へ相談します。


「食事をあまり取れていない」「最近、外出も減っている」など、わかる範囲で今のようすを伝えれば大丈夫です。食事だけでなく、からだの調子や暮らし全体から、つかえる制度やサービスをいっしょにかんがえてもらえます。
介護認定前でも相談できる


地域包括支援センターは、高齢の方の暮らしや介護について相談できる窓口です。
まだ要支援・要介護認定を受けておらず、担当のケアマネジャーがいなくても相談できます。
相談するときは、つぎのことをわかる範囲で伝えましょう。
- 食事を作れなくなった時期
- 最近食べているものと1日の食事回数
- 買い物や電子レンジの操作ができるか
- 体重や体調の変化
- 外出する回数
- 家族が支援できる範囲
親がすでに介護保険サービスをつかっているなら、まず担当のケアマネジャーへ相談してください。
親の住所を担当するセンターを探す


相談するのは、子どもの住所ではなく、親の住所を担当する地域包括支援センターです。
市区町村の公式サイトで「地域包括支援センター」と調べるほか、厚生労働省の介護サービス情報公表システムからも探せます。
電話では、つぎのように話すと、今のようすが伝わりやすくなります。
一人暮らしの親が食事を作れなくなり、食事量と外出が減っています。
どのような支援を利用できるか相談したいです。
急な体調不良がある、食事や水分をほとんど取れていないときは、地域包括支援センターへの相談を待たず、医療機関への連絡もかんがえてください。
よくある質問


まとめ:親の食事を確保し、家族の生活も維持するために


高齢の親が食事をつくれなくなったら、まず、買い物・料理・温めなどのどこで困っているかをたしかめましょう。
外のサービスをうまくつかえば、親は無理に料理をする負担からはなれ、じぶんのできる範囲でまいにち食事をとれます。
家族も、はなれた場所からまいにち心配したり、ひとりで食事を用意したりする負担を減らせます。
まずは、親がつかえそうな方法(宅配食のお試しや自治体への問いあわせ)を1つ調べてみてください。
どうすればよいか迷ったら、親がすむ地域の地域包括支援センターへ電話で相談してみましょう。

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